激辛薬味「みまから」生産 地元企業と商品開発も
徳島県美馬市 逢坂満さん・祐美子さん
美馬市美馬町の特産品の激辛薬味「みまから」は、青トウガラシを手切りで刻み、かつお節などで味付けをして煮込んだ調味料。その主原料「みまから唐辛子」を栽培し、みまから生産に取り組むのが「美馬交流館」だ。
みまからの開発のきっかけを同館会長の逢坂満〈おうさか・みつる〉さんは「農業は相手が値段を付けるから、利益が出しにくいという構図を変えたかった。付加価値を付け、美馬オリジナルの特産品として残していけるようなものを作りたい」と話す。
特産品作りのヒントは日常の中にあると考え、家庭料理コンテストを開催し、同町で昔から栽培されているトウガラシを使った料理を改良して商品化することにした。逢坂さんらが試行錯誤を重ねた結果、みまからは県内で最も有名な特産品の一つとなった。
逢坂さんの娘で館長を務める祐美子〈ゆみこ〉さんは農業に関わり始めて7年。みまからの生産・加工に新しい視点から携わり、「もうかる農業に向けて広げていきたい」と意気込む。
みまからのうま味のもとは甘味にあるという。糖度は14度あるが、辛さはハバネロ級。甘味と辛味が十分か確認するため、納品受付時には必ずかじって味をみるという。
みまから唐辛子は世界的にも珍しく、品種の確立と保存に向けて取り組む。次世代につないでいけるよう、地元企業との商品開発など新たな試みにも挑戦している。
逢坂さん親子は「商品に真摯に向き合い、100%以上の品質を目指して作る。物を売るには人を磨かないと。商品ブランドも生産農家も育てる気持ちで自分たちが育っていかないと、苦しむのは自分たちになるからね」と互いを鼓舞する。
写真説明=生産から販売まで取り組む逢坂さん(左)と祐美子さん