カリフローレ産地化目指す
元肥、防除を重視/営業拡充に意欲
徳島県阿波市 塩田貴志さん・由嘉里さん
カリフラワーの一種「カリフローレ」は、細長く伸びた茎のそれぞれに花蕾〈からい〉がつくため、まるで花束のような見た目になり、茎まで丸ごと食べられる。阿波市市場町の塩田貴志〈しおた・たかし〉さん、由嘉里〈ゆかり〉さん夫妻はカリフローレを栽培して5年目。以前はキヌサヤエンドウを栽培していたが、夫婦2人で営農をする中で手間や負担に悩み始めた際、農家仲間に声を掛けてもらったことをきっかけにカリフローレ栽培に転向したという。
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「防除や収穫のタイミングも試行錯誤。知らぬ間に虫がついてしまい、たくさんダメにしてしまった悲しい経験も。白くきれいな花蕾を保つために、傷みがないか目を凝らして厳選しています」と貴志さん。
栽培で気を付けていることは「基本的な作り方はブロッコリーなどと変わりませんが、元肥をしっかりやることと防除は特に気を配るようにしています。畝間を管理機で空気を入れながら耕すようにすると、除草効果だけではなく吸水力や追肥の効き方も変わってきます」と話す。
由嘉里さんは「夏の暑いときに植え、台風などを乗り越えて収穫に至るので、大きくて立派な花蕾ができたときの喜びはひとしおです。『おいしくなぁれ』と心の中で唱えながら、職人や親のような気分で成長を願って世話をしています。小学生の子どもたちも出荷用の箱を折るなど、お手伝いをしてくれています」と笑顔で話す。
現在、塩田さん夫妻を合わせた市場町の生産農家4軒で、カリフローレの産地化を目指している。
貴志さんは「今はほとんど首都圏に出荷されているので、地元では目にしたことがない人が多いと思います。カリフローレの認知度を上げていきたいです。地産地消ができれば環境にも優しいですし、とくしまマルシェに出店するなど広報活動や営業にも挑戦してみたいですね」と意気込む。
写真説明=カリフローレを手に「花束のようですてきですよね」と塩田さん夫妻