花きの品質向上を追求 那賀町 飯島 好さん

花きの品質向上を追求 那賀町 飯島 好さん

花きの品質向上を追求
徳島県那賀町  飯島 好〈いいじま・よしみ〉さん

__西日本有数のケイトウ産地・那賀町相生地区で花きの品質向上に取り組む飯島好さん。新規就農以降、先輩農業者に相談するほか、相生地区の同世代のケイトウ農家で結成したグループ「相花夢〈あいかむ〉」が月1回開く定例会で、情報交換を通して栽培技術を磨いている。

__スギ苗農家手伝いの経験から農業に魅力を感じ、自分でも農業をしてみたいと思っていた飯島さん。2018年に相生地区のケイトウ栽培新規営農希望者募集に応募したことが、花き農家になるきっかけとなった。
__「JAアグリあなんけいとう部会の方に栽培の知識やコツを聞き、教科書通りの栽培方法をしたら高品質のものができると思っていた。しかし、現実は教科書通りにいかないことばかりで、たくさんの失敗をしてきた。それぞれの圃場ごとに違う課題があり、それにあった対処をする必要があると学んだ」
__6㌃から始めたケイトウ栽培は、現在ではハウスと露地合わせて20㌃に拡大。出荷時以外は1人で作業するため、週1回の病害虫防除など手のかかることが多いという。しかし、手間を惜しむことなく品質向上に力を入れる。さらに、手間をかけることが結果的に作業の効率化につながっていると話す。
__「品質が上がると、単価が高くなる上に収量が安定することが分かった。さらに、出荷の際に等級ごとに分ける作業の手間が少なくなる。まだ生産は安定しているとはいえず、失敗して苗をだめにすることもあるが、その失敗を糧にしてこれからの栽培に生かしていきたい」
__現在はケイトウのほかシャクヤクや葉ボタン、菜の花を合計50㌃栽培する。葉ボタン、菜の花は昨年から出荷を始め、シャクヤクは今年から出荷する予定だ。_常に新しく挑戦できるものを探し、現在はハウスで栽培するケイトウの休耕期間を利用したヒマワリ栽培を検討している。今後の目標としては「その土地にあった新しい作物を探して、相生地区の活性化につなげたい」と意気込む。


写真説明=出荷前のケイトウを見回る飯島さん