特産品を活用 行列ができるジェラート店 交流施設と相乗効果、地域振興のチャンス

特産品を活用 行列ができるジェラート店 交流施設と相乗効果、地域振興のチャンス

徳島県佐那河内村 SANAGOUCHI GELATO
__毎週末に大行列ができる佐那河内村の人気店「SANAGOUCHI GELATO(佐那河内ジェラート)」。同村の特産品「ももいちご」やキウイフルーツなどを使ったジェラートのほか、チョコレートやナッツなど春、夏、秋と季節に応じた9種類がショーケースに並ぶ。滑らかな口当たりと自然な風味が感じられる優しい味わいが好評だ。週末と祝日の営業で、オープンからわずか39営業日で約1万6000人もの来客があった。

__同店を経営するのは、徳島市内の洋菓子店「クリスティーヌ」代表の筒井匡〈つつい・ただし〉さん。一般財団法人さなごうちの誘致を受け、2021年4月にオープンした。
__県内でジェラート店を開きたいという夢を持っていた筒井さんは、「市街地から車で約30分、のんびりとした場所でしばし時間を忘れ、こだわりの手作りジェラートをゆっくりと味わってもらいたい」と笑顔を見せる。
__「『おいしいジェラート屋さんへ来た』で終わらせるのではなく、佐那河内村の魅力をたくさんの人に知ってほしい」と話すのは、同じ敷地内で地域交流拠点施設「新家〈しんや〉」を運営する一般財団法人さなごうち代表理事・上野浩嗣〈うえの・ひろつぐ〉さん。新家では、平日は同村が誇る棚田米を使ったランチ(現在は弁当)を地元のグループが提供する。週末には地元産野菜の販売や屋台の出店など、地域住民の交流拠点や村外の人を呼び込む場として一役買う。
__上野さんは「街から少し離れてはいるが、徳島で有名なクリスティーヌさんなのでお客さんが来るに違いないという確信がありました。この実績を踏まえ、街から少し離れた立地でも、話題性があればお客さんは来てくれると感じた経営者が、佐那河内村に店を構え村がにぎわってくれればうれしいですね。地域振興のチャンス」と意気込む。
__「秋に向けた新フレーバーを考案中で、季節とともにフレーバーの種類を変えていくので、ぜひ佐那河内村に足を運んでもらいたい」と筒井さん。上野さんと2人で、村の魅力をさらに伝えていくにはどうすれば良いかと、今後の展開について話に花を咲かせている。

▽営業日=土日祝日(冬季休業)▽営業時間=午前11時~午後5時(完売した場合は早めの閉店あり)


写真説明上=新型コロナウイルス感染症対策のため少人数ずつの入店となっている
写真説明下=「これからも佐那河内村の魅力を伝えていければいいですね」と話す筒井さん(左)と上野さん