〈特集〉制度改正で補償充実 園芸施設共済で備える

〈特集〉制度改正で補償充実 園芸施設共済で備える

__台風や集中豪雨による気象災害が近年は頻繁に発生し、農業用ハウスに甚大な被害が発生しています。園芸施設共済は昨年の制度改正で、10割まで補償できるようになったほか、損害額1万円から共済金の支払対象になるなど、充実した内容となりました。今号では、園芸施設共済に加入する農業者の声を聞きました。

安心感があれば挑戦できる
徳島県阿南市  湯浅 幹根さん
__就農前は県外で会社勤めをしていましたが、父の体調不良をきっかけにUターンし、スダチ栽培を始めました。2016年に補助事業を受けハウスを新設しました。ハウスの新設後、親族の勧めで2棟(17㌃)を園芸施設共済に加入しました。17年9月の台風18号では、強風に押され、建てて2年足らずのハウスは地盤が安定していなかったため、基礎から浮き上がりました。
__園芸施設共済に加入した当時は、まさか自分が被害に遭うとは想定しておらず、就農後すぐの出来事だったので不安が大きかったのを覚えています。万一への備えが経営の安定につながると身をもって感じ、保険加入と同時に筋交いなどの強風対策の重要性にも気付きました。
__徳島県のスダチは、全国に流通する出荷量の98%を占めます。一年を通して安定した供給量を出荷するには、ハウスでの加温が欠かせません。現在、全国の料理店などで使用されていても、安定した供給がないとほかのかんきつ類で代用されてしまいます。
__万一の事態があっても立て直すことができるという安心感があれば、ハウス栽培に挑戦しやすいのではないかと思います。今後は、今の規模を維持し、阿南市の特産品であるハウススダチを守っていきたいです。

_